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フィンバーグ Finberg 両面ギヨシェのダンシング・コンパクト Guilloche フィンバーグ 1920年代1930年代 FMCO アメリカ製アンティーク

フィンバーグ Finberg 両面ギヨシェのダンシング・コンパクト Guilloche フィンバーグ 1920年代1930年代 FMCO アメリカ製アンティーク

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SOLD OUT
カテゴリ:
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商品番号:
C956

ギヨシェバナー
アンティーク彩門 ヴィンテージ・コンパクト 希少品,レア品,アールデコ,Art Deco,ArtDeco,アール・デコ,Flapper,フラッパー,Edwardian era,エドワーディアン
写真のあとに説明文章を掲載しております



























↑ともに Finberg の逸品コンパクトです(左側のFinberg コンパクトのページはこちら

高価な懐中時計を思わせるコンパクト。審美的な逸品、美術的な宝物。コンパクトとしての価値が高いのは無論のこと、オリジナルのチェーンが付いておりますので、鞄に付ける(バッグチャーム)用途もございます。存在感抜群の美しいお品です。

コンパクトの技法はギヨシェ、ハンドペイントが駆使されています。ギヨシェの細かさは大きな見所のひとつです。

ブランドは彗星のように現れて消えた Finberg(フィンバーグ)。装飾技法の素晴らしさ、金属の精密さによって他ブランドから製造の手本と仰がれました。この Finberg のコンパクト製造は1920年代から1930年代、20年に満たないわずかな期間です。現存しているものは非常に少なく、その意味でも価値の高いアンティーク・コンパクトです。

90年近い月日を経たアンティーク(まもなくアンティークとなる)お品としては 大変よく保たれた極上美品でございます。特にエクステリア(外側)は申し分ない美しさを保っています。ガラス釉薬の魔法です。



Finberg(フィンバーグ)の優雅なアンティーク・コンパクトがアメリカより入荷いたしました。両面ともギヨシェで作られたダンシング・コンパクトの逸品です。コンパクト本体もさることながら、大変素晴らしい鎖が付いています。

このコンパクトが作られ、愛されていたのは1920年代、フラッパー・スタイルと呼ばれた新流行のファッション(膝丈のストンとしたシルエットのワンピースにエレガントな装飾)、ボブカットのヘアスタイル、そして毛皮(なんともゴージャスなファーをさりげなく首元に!)…そんな時代です。

早いテンポに合わせて踊る女性の指にはフィンガーリングがかけられていました。そこから下がる美しい鎖の下には高価なコンパクト。鎖はちょうど良い長さで、ダンスに合わせてコンパクトが揺れました。コンパクトはもう、バッグにしまい込まれた化粧道具ではなく、人目を惹く格別のアイテムになっていたのです。こうした背景の中で作られたのがこの逸品です。

前置きが長くなりました。Finberg(フィンバーグ)の驚異的なギヨシェ技法にお話を移します。これについては Finbergのギヨシェコンパクト 1920~1930年代の極上のエレガンス で詳しくご覧いただけます。またギヨシェをより大きく使ったアイテム 1936年 純銀とギヨシェの手鏡 モノトーンから生まれる華やかさ ガラス釉薬の透明感 でもギヨシェの技法をさらに詳しく、そして魅力も存分にお楽しみいただけます。

いまご案内した2アイテムと説明が重なりますが、まずは写真の7・11・13をご覧くださいませ。上下両面とも愛らしくふくらんだコンパクトの全体の下地(金属)に細かな彫刻が浅くシャープにほどこしてあるのがご覧いただけるでしょうか。これはエンジン・ターン(極細タガネの高速回転)から生まれています(ギヨシェと呼ばれる技法)。切削職人の腕の見せ所です。

特にこのコンパクトは中央の黄色部分の一番中央、タテ長の楕円部分が驚異的な細かさです。ルーペで拡大して数えてみますと…10ミリの中に20数本の彫刻がありました…! 

次にここにガラス釉薬をかけます。下の彫刻を透かし見せるために、均質に、薄く、釉薬をかけて焼きます。「釉薬をかける→焼く」の工程をくりかえし完成させていく作業です。これも高度な技術が必要で、バスタイユ(basse taille)と呼ばれる技法です。エナメラーと呼ばれるクラフトマンの分野です。 Finberg には伝説的エナメラーがいたそうで、彼の名前も伝わっています。

この「釉薬をかける→焼く」のくりかえしの中でハンドペイントが行われました。バラや忘れな草は色の濃淡が巧みで伸びやかな筆遣いです。黄色から緑に変わるグラデーションに生き生きしたアクセントを添えています。

チェーンの素晴らしさも特筆事項です。写真の1枚目(正方形の写真)・3・4をご覧ください。これは当初から付いていた鎖で、美しい古色が付いています。ギヨシェが「ガラスの保護力、ガラス釉薬の魔法」によって不変の美を保っているのとは対照的です。鎖の品質はしっかりしています。数ミリの丸環(マルカン)数個も輪っかの切れ目がゆるんでおらず、キッチリと締まっていて、コンパクトが落ちる心配がありません。これが Finberg クオリティですね!

インテリアは少し金属の変化が見えています。コンパクトを180°に開いた写真5をご覧ください。底面側(てのひらに乗せる方)にはお粉の場所があります。天面側(コンパクトのフタの方)にはチークの場所があります。チークのあった場所には小スレや変化があらわれています。チークレフィルを包んでいたアルミ箔によるものです。このチークの場所は金属鏡によって区切られて見えなくなります(隠れます)ので、ここをロケットのように写真入れにするのもグッドアイディアです。

金属鏡の「お顔を見る側」は良好な状態です。お粉の場所は内フタでカバーされ、粉漏れ防止されています。写真13をご覧くださいませ。付属のパフ2枚は直径3センチで、あまりの可愛らしさに微笑みが浮かぶほどです。


Finberg(フィンバーグ)の成功の秘密は、このブランドの拠点、米国マサチューセッツ州アテルボロにあるかもしれません。

若くしてアメリカに渡った青年 Finberg はこの町で宝石職人としてキャリアをスタートさせました。宝石加工や印刷物、香水を扱いながらバニティケース(化粧品ケース)に進出したのは1910年ごろ。当時のこの町には、化粧品関連の加工場がたくさんあり、活況を呈していたそうです。そうした中には、すでに高い評価を得ていた R&G Co もありました。

Finberg はこうした近隣のバニティケース工場から多くのヒントを得たのでしょう。彼の宝石職人としての経験も、審美的なコンパクトを作る力となったにちがいありません。FMCO(Finberg Mfg.Co)を立ち上げました。このお品にもこの刻印が入っています。

金属の彫刻の素晴らしさに加え、Finberg の強みは凄腕のエナメル職人をかかえていたこと。均質な、薄い、透明感のある釉薬をかける技術は Finberg の誇りだったことでしょう。100年近く経った今も、ガラス釉薬(エナメル)はその魅力をよく保っています。


【 サイズ 】
本体… 5.2 cm  鎖の長さ… 6.5 cm